Storyこれまでの歩み
はじめまして、カミルと申します。現在は淡路島に移住して家庭を築き、2児の父です。私が初めて日本に訪れたのは2017年で、22の国や国籍の若手起業家&リーダーの中で、淡路青年連合会で地域活性化をテーマにした起業家&リーダーシップ研修プログラムに任命された時でした。2018年には株式会社パソナで国際関係・プロジェクトオフィサーとして経験を積み、異なる背景や文化を持つチーム環境の中で、社会的インパクトを重視した様々なプロジェクトの構想に携わり、新しいアイデアやコンセプトを探求し的ました。 その結果、アフリカと日本のビジネス関係を促進するというアイデアを生むことができました。特に、 アフリカの食糧難の問題を解決する具体的なソルーションについて関心が湧き、ビジネスや文化を通じて日本とアフリカをつなぎたいと心から思いました。
私はまずエチオピアと日本における農業の問題点を明らかにし、具体的な解決策が必要であることがわかりました。主に、アフリカと日本の間のビジネス関係を促進することを特定しました。私はもともと農業に強い関心と興味があった事から、エチオピアのコーヒー農業と日本のコーヒー市場の市場調査を開始しました。この調査によって、コーヒー農家とコーヒー焙煎業者がサプライチェーン上で直面している課題を、双方で特定することができました。コーヒー産業はエチオピアの中でも影響力が最もあり、アラビカコーヒーの原産地として知られるエチオピアは、アフリカ最大のコーヒー生産国で、世界第5位の生産量を誇り、主にアラビカコーヒーを生産しています。 エチオピアの農業は、GDPの40%、輸出の80%、労働力の75%を占めると推定されています。 主に南部の高地で栽培されるエチオピアのコーヒーは、何世紀にもわたって1000種以上の品種が開発され、それぞれの品種が独自の個性と特別な風味を持っています。エチオピアの人々にとってコーヒー豆は農家の主な収入源であり、生産は主に小規模農家(95%)で、伝統的な生産と農場管理システムの下で行われています。 経済だけでなく、東アフリカのコーヒーは価値観を象徴しています。コーヒーセレモニーを中心とした伝統は、共有、サポート、人間の温かみを奨励し、特に年長者が若い人に知恵を伝える場となっています。
横浜で開催された第7回アフリカ開発会議(TICAD7)にて、私はアフリカの持つ可能性を認識し、同じ志を持つビジネスや公共部門のリーダーたちと会う機会を得ました。その中の一人、ダブルフェザー・パートナーズ代表の武藤康平氏は、私のプロジェクトに共感をし、現在の「ブラックサムライコーヒー」に出資していただきました。2020年12月、1年間の徹底したリサーチと準備を経て、アフリカのスペシャルティコーヒー種を日本のロースターに供給するサステナブルなゲートウェイとして、「ブラックサムライコーヒー」を立ち上げました。
事業を開始した2021年は COVID-19という困難に直面しましたが、オンラインでの営業をメインとし、ネットワークを広げて行きました。コロナの規制が緩和されたことによって、関西のロースターを一軒一軒訪ね歩くことで、地元のロースターとのつながりをつくることができました。徐々に地元のロースターのニーズを把握し始め、日本市場でアフリカのコーヒーの可能性に改めて確信しました。
2021年の夏には、エチオピアに行く機会があり、アディスアベバのシダマコーヒー農民協同組合(SCFCU)、イルガチェフェコーヒー農民協同組合(YCFCU)、カタ・ムドゥガ多目的コーヒー農民協同組合(KMMCFCU)、グジハイランドコーヒー農園といった国内最大のコーヒー協同組合連合会を訪れました。各組合の組織、農家、加工施設、運営・品質管理体制などを紹介したゼネラルマネージャーとの面談は、実り多いものでした。また、農家が直面する課題や、フェアトレードを実現するために私たちがもたらすことのできる解決策についても話し合いました。今後Black Samurai Coffeeはサプライチェーンの最適化を目指し、農業技術ソリューション、農業金融ソリューションを通じてアフリカ農家への財政支援を提供しつつ、品質を重視する日本のコーヒー市場の高まるニーズに応え、アフリカの農家から輸入したスペシャルティコーヒー豆を少しでも多くの日本のコーヒー焙煎業者に届けます。